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無料オンラインゲーム『百花繚乱Endless Battle』。 そのノベライズとそれに関することを書いていきたいと思います。

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第80話『二翼の天使』

「・・・え?」

こんな大掛かりな企画の賞品だ。

きっと凄い武器なんだろう、ずっとそう思っていた。

だけど、その武器は・・・

「・・・ネズミ?」

目黒の手の平に収まる程の小さなネズミだった。

しかも、どちらかというとネズミというよりかは・・・ハムスターに近いと思う。

あ、毛繕いを始めた。

「・・・フフ、カワイイ」

・・・おい、目黒、和んでる場合じゃないぞ。

と思っているうちに、新橋がこっちに銃口を向けてきた。

その先は・・・俺じゃなくて目黒だって?

「目黒、危ない!!」

俺が目黒に注意を促すと、それに反応したのか先ほどまでと同じ真剣な顔になった。

その時だった。

目黒の手の平に乗っていたネズミ・・・もといハムスターが急に光りだした。

そしてそれが光そのものとなり、急に拡散した。

・・・この光景、見たことがある。

あの、屋上での異星人との戦いだ。

ということは・・・あれも?

俺がそう考えを巡らせているうちに、その光が目黒の背中に集まり、形を現した。

それは、無機質な機械の翼であった。

その目黒を見ても、新橋は動揺1つ見せていない。

このままじゃ、本当に目黒がやられてしまう。

すると・・・

カァァァァァァン

目黒が『天使』状態に入り、更に背中から、神秘的に輝く翼を出した。

「・・・行くよ」

その一言と同時に目黒は跳躍してその場から離れ、新橋の射線から外れた。

・・・速い。

何度か『天使』状態になった目黒と手合わせしたが、あそこまでの速さはなかった。

やはり、翼が2つある効果なのか?

しかし、新橋も狙いを目黒にするのを諦めていない。

すぐさま飛んだ目黒に銃口を向けようとしたその時だった。

「行って!」

あの無機質な翼の先端が射出され、新橋に向かっていった。

更にその翼の先端が新橋に対してそれぞれ光線を放った。

その狙いは正確だ。

外すことなく、全て新橋に命中している。

しかも、やつのフィールドも役に立っていない。

光線はそれを貫いて新橋にダメージを与えている。

「ガァァァァァ!」

この攻撃で、新橋は射撃を行えずにいる。

今まで圧倒されていた新橋にここまで優位に目黒が進めている武器。

それは・・・あの時まりんさんが使っていたのと同じ、十二支の武器。

その名も・・・十二支系推進翼兼用遠隔操作砲『子:機動兵装ウィング・スーパードラグーン』。

だけど・・・チャンスだ。

目黒が新橋を翻弄してくれているおかげで、今ならさっきと同じように『シャイニング・フィンガー』でダメージを与えられる。

あの光線もフィールドは破けても、それで威力が相殺されている。

決定打にならない以上、俺がそれを打つしかない。

・・・だけど、さっきと同じじゃダメだ。

あれぐらいだと、奴に耐えられてしまう。

そうなると、残された手段は・・・

「・・・『両腕部Ⅰフィールド発生器』、『JSAモード』起動!!」

これで威力は単純に3倍だ。

だけど、さっき作動限界を迎えたばかり。

長くフィールドを展開、収束できるとは思えない。

勝負は一瞬、これを逃したらもう勝機はないだろう・・・。

それなら・・・

キィィィィィィン

よし、『覚醒』状態になった。

これでそれを逃すことはないはずだ。

あとはコイツをぶち当てるだけだ・・・。

(上野くん!)

目黒からの『プライベートメッセージ』だ。

それを聞き目黒を見ると、全ての射出した砲を自分の元に呼び寄せ、浮遊状態に入らせていた。

・・・なるほど、意図は分かった。

(OK!)

それに返事をし、俺は構えた。

まだフィールドは展開しない。

直前になるまでガマンだ・・・。

「シューート!!」

目黒の掛け声と共に浮遊状態の砲から一斉に光線が放たれ、俺も同時に駆け出した。

光線は広く放たれたため、新橋は避けることは出来なかった。

全てが当たったわけではないが、2、3本ほどフィールドを破って直撃し、動きを止めた。

あとは・・・俺がやるべき仕事だ!

「フィールド展開!収束!必殺、シャイニング・フィンガーーーー!!」

もう余裕はない、一気に攻撃を加えるだけだ。

『JSAモード』で3倍の量のフィールドを収束して放つ『シャイニング・フィンガー』。

これで十分すぎる威力のはずだ・・・なのに・・・

(まだ耐えれるのか!?)

ここまで耐えれるほどの力があったとは・・・予想外だ。

だけど、ここを逃したらもう終わりだ。

何か手段は・・・あった。

やったことがないけど、今はこれしかない!

「・・・フィールド展開!収束!」

もう展開しているのに何を言っているんだ?

そんなことを言いたそうな新橋の表情が一瞬見えた。

確かにもうフィールドは展開している。

・・・片方だけ、な。

もう片方はまだ残っている!

「必殺!ダブルシャイニング・フィンガーーーーー!!!」

そして、そのもう片方の腕を俺は相手にぶつけた。

「ガァァァァァァ!!」

『JSAモード』を発動させた『シャイニング・フィンガー』を2発同時に受けたんだ。

つまりは単純に考えて6倍の威力、それをまともに受けて大丈夫なわけがない。

そこから放たれた衝撃で新橋は吹き飛び、体育館の壁際まで吹き飛んだ。

「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」

今ので俺自身の力は勿論、『両腕部Iフィールド発生器』も完全に限界だ。

この戦いじゃもう使うことは出来ない。

奴は・・・新橋はどうなった?

「・・・ク、クソォ・・・ウ・・・エノォ・・・」

途切れ途切れな声を出しながら、新橋がそこから立ち上がった。

まだ立ち上がれるなんて・・・。

だけど、見るからに戦える状態じゃない。

それに、俺はもう戦えなくても目黒にはまだそれが出来る。

勝敗は・・・見えていた。

「もう、お前の負けだ」

「ミ・・・認メナイゾ・・・!!」

そう言って新橋が構えようとしたその時だった。

「待ちなさい、新橋」

さっきの女性が新橋の後ろから肩を押さえ、止めた。

「マ・・・待テルカぁ!!」

「十二支を取られた時点で、私たちの任務は失敗よ。ここは下がるわよ」

「そういうこと」

「仕方ないんだなぁ」

いつの間にか、あのガキとデブも駆け寄っていた。

「それじゃあ皆さん、ごきげんよう」

「ま・・・待」

俺が言葉を出し切る前に4人はどこかに消えてしまった。

・・・また瞬間移動装置か、ちゃんと逃げ道を用意していたとは、な。

・・・あ・・・アレ?

気が緩んだら、急に力が・・・抜けてきた・・・。

バタン!

「う、上野くん!?」

遠くから目黒の声が聞こえてきたけど、もう・・・何も考えられないわ・・・。

今は・・・寝よう。



後日、先生たちと話し合いが行われ、あの企画の優勝者は結局、最後まで意識を保っていた目黒で決まった。

そのため、あの十二支の武器もそのまま目黒に譲渡された。

だけど、あの武器には色々と規約があるらしく、実戦はもちろん練習でさえも承認がいるらしい。

その承認は・・・今は会長からもらわなくちゃいけないとか。

・・・緊急時に連絡が取れればいいんだけどな。



だけど、俺たちは気付くことが出来なかった。

この戦いこそが、更なる戦いの始まりになるなんて・・・。
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