無料オンラインゲーム『百花繚乱Endless Battle』。 そのノベライズとそれに関することを書いていきたいと思います。

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第62話『過去の始まり』

1年前、始業式が終わった後の体育館。

「ハッ!」

「タァッ!」

カキンッ!

2つの『蒼天の剣』が激しく火花を散らしながら交差した。

一方の所有者は神田、もう一方は・・・新橋だった。

その後も絶えることなく交差は続いた。

そんな2人を

「2人ともスゴイですね・・・」

「そうね、というよりも、アレだけが取り柄みたいなものだし、あの2人」

目黒と大塚が準備体操をしなが見ていた。

大塚は見慣れたものだが、目黒にはまだこの光景に新鮮さを感じていた。

この頃の目黒は、生徒会に入ってまだ間もなく『ジャンクション』も合宿前にどうにか完成させたばかりだった。

大きな砲身が特徴の『ジャンクション』で動く的を正確に狙うのは、見た目どおり簡単なことではない。

そのため、目黒が『ジャンクション』を手に入れてからは

「じゃあ、今日も行くわよ」

「ハイ!」

大塚や田町に練習に付き合ってもらい、少しでも使いこなそうと努力していた。

最初は多少力を抜いて相手をしていた大塚と田町だったが、今では全力で相手をしていた。

目黒の地道な成果が出ている何よりの証拠だった。

そして今日も

「シュート!」

出力を抑えて放った光線が走り回っていた大塚に命中した。

もっとも、大塚自身は持っていた『雷鳴の闇』でそれを突き返したため無傷であったが。

しかし、それは特に問題ではなかった。

スピードで相手を翻弄して戦うスタイルである大塚に”当てることが出来た”、それに意味があった。

「・・・目黒」

「は、ハイ!」

大塚からの呼びかけに、目黒は何か指摘を受けると思ったのか、緊張しながら返事した。

「・・・上出来よ、私から言うことは何もないわ」

笑みを浮かべながら大塚はそう伝えた。

「あ、ありがとうございます!」

嬉しさと照れから顔を赤めらせて目黒は礼を言った。

「あとは授業以外で実戦経験を積めば問題ないんだけど、そう簡単にはいかないしね・・・」

『百花高校』のカリキュラムでは、週に2回戦闘実技の授業が行われる。

しかし、それ以上に実力を求められる上、進学や軍などを進路にする生徒が多い生徒会員はこういった練習だけでなく実戦経験も必要とされる。

そのために、軍や企業からの協力を積極的に引き受けている。

だが、そのような依頼がいつも来るわけではない。

更に、生徒の都合もあるためいつでも受けれるわけでもないのがネックになっている。

そんな会話をしていると・・・

「あら、ならちょうど良かったわね」

大塚と目黒の後ろから声が聞こえてきた。

2人が後ろを向くと、体育館の入り口に1人の女子生徒がいた。

腰まで伸びた髪に、少し大人のような雰囲気を漂わせていた。

「あ、目白さん」

目黒が気付くや否や、その女子生徒の名を口にした。

「ちょうどいいって、何がですか?」

大塚が率直に疑問を聞いた。

「うん、実はね、さっき政府軍から協力要請が来たの」

「え、ということは・・・」

「ええ、目黒、やってみない?」

「ハイ!是非お願いします」

活き活きとした返事を目黒はした。

「で、他に誰が行くんですか?」

再び大塚が質問した。

「ホントは牙津君が行くのがいいんでしょうけど、面接があるとかで来れないみたい。だから副会長の私は行くわ。

あと、池袋君は連れて行くつもり。牙津君、彼を会長に任命するつもりらしいしね」

「池袋・・・アイツ、来るんですか?」

当時から池袋の遅刻、サボり癖は有名だった。

「だからね・・・新橋君!」

未だに神田と剣を交えている新橋に目白は声を掛けた。

それでやっと目白が来ていることに気付いたのだろう。

「あ、目白さん」

と、神田と共に剣を動かす手を止めてから反応を見せた。

「新橋君、池袋君を引き連れて来てくれない?」

「・・・ハイ?」

急に何を言われたのか分かっていないようだ。

「実はね、今度軍からの協力要請を受けるから池袋君を連れて行きたいんだけど、それを新橋君に頼みたいの」

「いいですけど・・・なんで俺が?」

少し不満げなリアクションを新橋は見せた。

「だって・・・新橋君と池袋君、ご近所でしょ?」

新橋も池袋も同じアパートで1人暮らしをしている。

なので、池袋を見張って連れて来るのが一番容易なのは新橋である。

「・・・分かりました、なるべく最善は尽くします」

新橋も観念したのか、すんなりそれを受け入れた。

「じゃあヨロシクね」

そう言って目白は帰ろうとしたが、

「あ、そうだ」

と言いながら目黒の方を見た。

「目黒、今日はこれからその手続きするから少し遅くなるかもって、言っておいて」

「あ、ハイ、分かりました」

それだけ言い残して、目白は今度こそ体育館を後にした。

なんでそんなことを言い残したのか、それは簡単なことであった。

目白もまた、孤児だからだ。
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