無料オンラインゲーム『百花繚乱Endless Battle』。 そのノベライズとそれに関することを書いていきたいと思います。

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第31話『それぞれが進む道』

「ったく、ちっとも片付きゃしねえ」

文句を言いながら、6月初夏の『百花高校』の校門でホウキを掃く用務員が1人。

彼の名前は羅印、見た目通りの用務員である。

人当たりが良いとは言えないが、勤務態度に関しては教師の間では定評がある。

「毎日ご苦労さまです、羅印さん」

そんな教師の1人である音無が声を掛けてきた。

「お、どうも。お疲れ様です」

一旦手を止め、羅印は頭を下げた。

「いつも大変で、すいませんね。ウチの生徒がだらしないばかりに」

「いや、これぐらいがちょうどイイですよ。じゃなきゃ暇で仕方ないですし」

表情を変えずに羅印は答えた。

「・・・だけど羅印さん、本当にいいのですか?あなたは本来は」

「先生」

音無が話しているところを、羅印が遮った。

「元々戦うしか能のない俺を、こんな形でも受け入れてくれた先生方には、ホント感謝してます。でも・・・」

「でも?」

「・・・俺はそれと同時に、戦いを捨てました。あの頃の俺は、もうここにはいません」

「じゃあ、何故未だにリストを付けているんですか?」

「護身用ですよ、俺に恨みを持っているヤツなんて何人でもいるもんでね」

「それで・・・本当にいいんですか?」

「はい・・・」

そう答えた羅印の目は、どことなく曇っている。

音無にはそう見えていた。



「近距離戦の心得・・・ですか?」

神田さんに頼まれて職員室に届いた生徒会宛の荷物を一緒に運んでいる最中に言われ、思わずそのまま返した。

「あぁ。今生徒会でそれを担当しているのは俺と大崎、あと臨時で大塚がやることがある程度だ」

「た、確かにそうですね」

「だが、俺達3人は来年には卒業しちまう。その後誰がこのポジションを守る?」

言われてみれば、重要な問題だ。

目黒と五反田は完全に長距離戦向き、近距離戦なんてまずムリだ。

渋谷は近距離戦向きではあるが、まだまだ実力不足は否めない。

となると、今のところ近・中・遠どれにも対応出来る俺がその穴を補うのが自然の流れだ。

だが、それには1つ問題がある。

「でも俺、まともな近距離用の武器持ってないですよ」

『遠雷』もどの距離に対しても有効なだけで、近距離に特化した武器と真っ向から戦うのは危険だ。

他にも何種類か武器を持っていないわけではないが、『遠雷』に比べると見劣る物ばかりだ。

「安心しろ、今お前が持っているそれが解決してくれるはずだ」

「え?」

俺が持っている荷物、それは30cm四方の箱だ。

中身はこれだが、意外と重い。

と思っているうちに、『生徒会室』に着いた。

「まぁ、理由は後で話してやるよ」

神田さんがそう言いながらドアを開けた。

「えぇ!?」

いきなり中からそんな声が聞こえてきた。

何かと中を覗いてみると、そこには目黒と、驚いている田町さんがいた。

「・・・どうしたんだ?」

溜まらず神田さんが聞いた。

「いやね、目黒が中距離射撃を教えてくれって言うから・・・」

「ほぅ・・・」

口には出さなかったが、俺も神田さんと同じく感心した。

「でも目黒、アンタは今の長距離支援で十分役割を果たせてるわ。それで十分じゃないの?」

「いえ、私も色々と視野を広げてみたいんです」

「そう・・・」

思えば、あの野球部との一戦でその目黒の考えの兆候は見えていた。

砲身で突いてからの零距離射撃、アレはいきなり思いついて出来ることではない。

すると

「いいじゃないか、教えてやれよ田町」

神田さんが助け舟を出してきた。

「でも・・・」

「それに、ちょうどいい物が届いている。それを使えばやりたいことも出来るだろう」

そう言って、神田さんは俺が持っていた箱を手に取った。

そしてそれを手間取ることなく開けた。

そこには、大量の『武器チップ』が入っていた。

これには、ログイン時に使用する武器のデータが入っている。

これをリストに備わっている専用のスロットに入れることで使用可能になる。

そのチップを、神田さんは2つ取り出し1つずつ俺と目黒に渡した。

「これを進化させれば、お前達の望んだ武器になるはずだ。まずはそれを使いこなせ」

「は、はい」

「分かりました」

そう返事しながら、俺と目黒はチップをスロットに入れた。
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