無料オンラインゲーム『百花繚乱Endless Battle』。 そのノベライズとそれに関することを書いていきたいと思います。

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第97話『記憶のどこかに』

「・・・何もないな」

「そ、そうね」

犬彦先生とガジコさんから離れて、俺と目黒だけで調査を進めているが、何も怪しいものはない。

それどころか、ずっと通路が続いているだけで、部屋とかすらない。

一体、この先に何があるんだ。

しかも、さっきから足を進めるにつれて

「・・・・・」

目黒の様子がおかしくなっている気がする。

息遣いは荒くなっているし、額に浮かぶ汗の量も尋常じゃない。

「目黒、本当に大丈夫か」

「う、うん、大丈夫」

さっきから、そんなやりとりを何度も繰り返している。

だけど、とても大丈夫そうには見えない。

一体、何で急に様子がここまでおかしくなったんだ?

それを考えると、さっきの目黒の言葉が頭に浮かぶ。

「・・・私、ここを見たことがある気がする」

目黒の記憶のどこかにあったというあの光景。

何がどう関わっているのか、俺には到底理解できない。

「う、上野君、あれ・・・」

目黒が指差した先には、通路の終わりを告げるような別の明かりが漏れていた。

「やっと着いたか、行こう」

「う、うん」

少し駆け出そうとしたが、目黒の様子も考えて同じ歩調のままその通路を抜けた。

「こ、これは?」

抜けたと同時に俺達の視界に広がったのは、先ほどと違い割れていないガラスケースがいくつも並んでいる光景だった。

今抜けた出入り口を除くと、他に扉と思わしきものはない。

つまり、ここが最深部というわけか。

「な、何なの、ここ?」

「・・・俺が聞きたいぐらいだ」

目黒とそんな言葉を交わしながら、更に奥へと歩いていった。

だけど、どれを見てもただのガラスケース。

大きいという以外に、気になる点は何もない。

他に気になるものも何もないし・・・。

ピチャ

ふと、俺の足元に違和感が走った。

下を向くと、何やら液体が広がっていた。

「この液体は・・・?」

気になったので、少し触れてみた。

普通だったら危険なために容易に触れるべきでないかもしれないが、今はログインしているから、その心配はほぼ皆無だ。

だけど・・・この液体は明らかにおかしい。

「・・・ない」

「え?」

「液体の中に、埃みたいな不純物がない」

ここまで放置されているのに、それが全くないのはおかしすぎる。

「ということは、もしかして・・・」

「あぁ。つい最近までここは使われていたんだ」

「ご名答」

「「!!?」」

急に背後から聞こえてきた声に反応し、俺達は振り向きながら身構えた。

そこには、入り口から俺達を見ている男がいた。

見るからに高そうなスーツを決めてはいるが、ここではそれが逆に浮いていた。

「あ、あなたは誰です?」

動揺を隠しつつも、俺は問いかけた?

「・・・フ」

だが、男は笑みを浮かべただけで何も答えようとしなかった。

「な、何がおかしいんです?」

目黒がそれを見て聞いた。

「いや、嬉しいのさ。ここで噂の『覚醒』適合者と『天使』適合者を一編に見れるんだからな」

俺達が・・・何者か知っている?

この一言で、大体何者か察しがついた。

「・・・組織の関係者か」

「ああ、その通りさ。新橋が前に世話になったみたいだな」

あの新橋のことまで知っている・・・。

そのことを聞いた瞬間、俺も目黒も武器を具現化させ身構えた。

「一応言っておくけど、やめた方が身のためだよ?」

「んなもん、やってみないと分からないだろ」

少し気付いてはいたが、それでも明らかに見下した言い方に俺は反論した。

「いや、僕は君に言ったんじゃない。そこの彼女に言ったんだ」

相手はそう言いながら俺ではなく目黒のほうを指差した。

その目黒を見て、奴の言葉に少し納得した。

先ほどに比べ更に様子がおかしくなっている目黒の姿がそこにあった。

「め、目黒?」

「わ、私は平気、平気だから・・・」

それでもいつものような強い眼差しで前を見た。

・・・ここは、目黒を信じるしかない。

だけど・・・

「ダメだと思ったら、下がるんだぞ」

「う、うん」

本当は強制的に下げるのがいいのだろうが、今の目黒にはそれは難しかった。

「準備は良さそうだね。じゃあ始めさせてもらおうか」
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