無料オンラインゲーム『百花繚乱Endless Battle』。 そのノベライズとそれに関することを書いていきたいと思います。

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第61話『真実への始まり』

「体の負担が軽く?」

「うん、それぐらいしか覚えてない・・・」

いつもの体育館。

今朝は始業式が行われていたが、昼になった今は特に誰もいない。

ちょうど部活で使うところもないようなので、いつものように蝶子先生に言って使わせてもらうことにした。

いつもだったらすぐ練習に入るところだが、今日はその前にやることがあった。

ここに来る前に生徒会室に立ち寄ったのだが、珍しく来ていた会長から俺と目黒にコレを渡されたから、その設定をしている。

渡されたのは・・・あのスライド式の携帯電話。

新橋にあそこまで関った以上、いつ襲われてもおかしくない。

そう言われたので、目黒と一緒に設定をしながら話していた。

周りには誰もいなく、心置きなくこの話題が話せた。

「じゃああの時も・・・訳も分からないまま戦った感じ?」

「そうね・・・もう無我夢中だった。それでいつの間にか気を失って、目が覚めたら布団の中で・・・」

あの後、周りに怪しまれないよう目黒の非戦闘状態からの自然ログアウトを待ってから、代々木に頼んで女子部屋に運んでもらった。

俺も会長も、何事もなく他のメンバーと合流出来たし、あの浜辺での出来事は気付かれていないらしい。

だが、俺にはそれよりも気になるのは、あの時目黒に起こったことだ。

「結局・・・体の負担が軽くなる、それがあの状態の効果なのか?」

「ああ、その通りだ」

突然後ろから声が聞こえてきた。

振り向くと、そこには会長がいた。

「会長・・・あの状態が何かご存知で?」

目黒が疑問を浮かばせながら聞いた。

「ああ、あの状態は『天使』。最近確認されたばかりの現象なんだが、まさか目黒がその適合者とはな」

『天使』・・・なるほど、あの羽は確かにその通りに見える。

しかも、目黒は小柄な体にも関らず、負担の大きい『ジャンクション』のような武器をよく使う。

相性はバツグンだ。

「それよりも・・・ソイツの設定、出来たかい?」

「あ、はい!」

もうほとんどの設定が俺も目黒も終わっていて、あとは実際に使えば確かめればいいだけだ。

なので、コレを持って立ち上がった。

まぁ、設定といっても、大したことはしていない。

ケイタイの裏側にあるカードスロットに『EB-ID』を入れる。

その後、生徒それぞれが独自に設定している数字数桁によるパスワードを入力し、『EB-ID』を排出。

それが終われば、あとは

「EB、ログイン!」

いつもの要領で叫びながらそれを右手で思いっきり閉じるだけ。

その瞬間、俺達2人ともログインが完了した。

その完了までの早さ・・・とても並じゃない。

「このログインの早さ・・・やっぱりスゴイですね」

つい思ったことを口にした。

「そりゃそうさ、それを特化するためにその形状になったんだからな」

俺のそんな疑問に会長が口を出してきた。

「え?」

「元々のログインの仕組みは、認証リストが差し込まれた『EB-ID』の情報を読み込んで、それから対応したサーバ・・・俺達の場合、学校に設置されているサーバからデータを呼び出すんだ」

「は、ハァ・・・」

「だから、元々リストよりも通信機能が発達しているケイタイなら、それが更に早く実現できる、そういうわけだ」

「わ・・・わざわざ説明ありがとうございます」

さすがは会長、神田さんを抑えて学年トップというのも頷ける。

とにかく、これでいつ新橋に襲われても戦わずに死ぬってことはないだろう。

・・・この際、いっそのこと聞いておこう。

「会長、一体新橋は何でああいう風になっちまったんですか?」

「ん?・・・あぁ、そのことか・・・」

俺の問いに会長は頭を掻きながら、チラッと目黒の方を見た。

「・・・私ならいいですよ。むしろ、上野君には知っておいてもらいたいですから」

そんな会長にすぐ気付いた目黒はそう答えた。

「・・・いいだろう。でも、聞いたからにはもう戻れないぞ?」

「もう、聞く前から戻れません、そうでしょ?」

ハッキリと核心をついてみた。

「だな、じゃあ、話そうか・・・とりあえず、座ろう」

そう言われたのでほぼ同じタイミングで座った。

「あれは確か・・・去年の今頃だったな」
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第62話『過去の始まり』

1年前、始業式が終わった後の体育館。

「ハッ!」

「タァッ!」

カキンッ!

2つの『蒼天の剣』が激しく火花を散らしながら交差した。

一方の所有者は神田、もう一方は・・・新橋だった。

その後も絶えることなく交差は続いた。

そんな2人を

「2人ともスゴイですね・・・」

「そうね、というよりも、アレだけが取り柄みたいなものだし、あの2人」

目黒と大塚が準備体操をしなが見ていた。

大塚は見慣れたものだが、目黒にはまだこの光景に新鮮さを感じていた。

この頃の目黒は、生徒会に入ってまだ間もなく『ジャンクション』も合宿前にどうにか完成させたばかりだった。

大きな砲身が特徴の『ジャンクション』で動く的を正確に狙うのは、見た目どおり簡単なことではない。

そのため、目黒が『ジャンクション』を手に入れてからは

「じゃあ、今日も行くわよ」

「ハイ!」

大塚や田町に練習に付き合ってもらい、少しでも使いこなそうと努力していた。

最初は多少力を抜いて相手をしていた大塚と田町だったが、今では全力で相手をしていた。

目黒の地道な成果が出ている何よりの証拠だった。

そして今日も

「シュート!」

出力を抑えて放った光線が走り回っていた大塚に命中した。

もっとも、大塚自身は持っていた『雷鳴の闇』でそれを突き返したため無傷であったが。

しかし、それは特に問題ではなかった。

スピードで相手を翻弄して戦うスタイルである大塚に”当てることが出来た”、それに意味があった。

「・・・目黒」

「は、ハイ!」

大塚からの呼びかけに、目黒は何か指摘を受けると思ったのか、緊張しながら返事した。

「・・・上出来よ、私から言うことは何もないわ」

笑みを浮かべながら大塚はそう伝えた。

「あ、ありがとうございます!」

嬉しさと照れから顔を赤めらせて目黒は礼を言った。

「あとは授業以外で実戦経験を積めば問題ないんだけど、そう簡単にはいかないしね・・・」

『百花高校』のカリキュラムでは、週に2回戦闘実技の授業が行われる。

しかし、それ以上に実力を求められる上、進学や軍などを進路にする生徒が多い生徒会員はこういった練習だけでなく実戦経験も必要とされる。

そのために、軍や企業からの協力を積極的に引き受けている。

だが、そのような依頼がいつも来るわけではない。

更に、生徒の都合もあるためいつでも受けれるわけでもないのがネックになっている。

そんな会話をしていると・・・

「あら、ならちょうど良かったわね」

大塚と目黒の後ろから声が聞こえてきた。

2人が後ろを向くと、体育館の入り口に1人の女子生徒がいた。

腰まで伸びた髪に、少し大人のような雰囲気を漂わせていた。

「あ、目白さん」

目黒が気付くや否や、その女子生徒の名を口にした。

「ちょうどいいって、何がですか?」

大塚が率直に疑問を聞いた。

「うん、実はね、さっき政府軍から協力要請が来たの」

「え、ということは・・・」

「ええ、目黒、やってみない?」

「ハイ!是非お願いします」

活き活きとした返事を目黒はした。

「で、他に誰が行くんですか?」

再び大塚が質問した。

「ホントは牙津君が行くのがいいんでしょうけど、面接があるとかで来れないみたい。だから副会長の私は行くわ。

あと、池袋君は連れて行くつもり。牙津君、彼を会長に任命するつもりらしいしね」

「池袋・・・アイツ、来るんですか?」

当時から池袋の遅刻、サボり癖は有名だった。

「だからね・・・新橋君!」

未だに神田と剣を交えている新橋に目白は声を掛けた。

それでやっと目白が来ていることに気付いたのだろう。

「あ、目白さん」

と、神田と共に剣を動かす手を止めてから反応を見せた。

「新橋君、池袋君を引き連れて来てくれない?」

「・・・ハイ?」

急に何を言われたのか分かっていないようだ。

「実はね、今度軍からの協力要請を受けるから池袋君を連れて行きたいんだけど、それを新橋君に頼みたいの」

「いいですけど・・・なんで俺が?」

少し不満げなリアクションを新橋は見せた。

「だって・・・新橋君と池袋君、ご近所でしょ?」

新橋も池袋も同じアパートで1人暮らしをしている。

なので、池袋を見張って連れて来るのが一番容易なのは新橋である。

「・・・分かりました、なるべく最善は尽くします」

新橋も観念したのか、すんなりそれを受け入れた。

「じゃあヨロシクね」

そう言って目白は帰ろうとしたが、

「あ、そうだ」

と言いながら目黒の方を見た。

「目黒、今日はこれからその手続きするから少し遅くなるかもって、言っておいて」

「あ、ハイ、分かりました」

それだけ言い残して、目白は今度こそ体育館を後にした。

なんでそんなことを言い残したのか、それは簡単なことであった。

目白もまた、孤児だからだ。

第63話『朝の出来事』

ドンドン!

「池袋ー、起きろー」

新橋がドアをノックしながら呼んだ。

呼び鈴を何度も鳴らしても起きないためノックをしているが、中から何かが動いている気配は新橋には感じられない。

「おーい、池袋ー、そろそろ時間だぞー」

無駄だと分かりつつも、新橋は呼びかけ続けた。

だが、時間がただ過ぎていくだけだった。

「・・・しょうがない」

ため息をついた新橋は、一旦部屋に戻った。

そして、池袋の部屋と隔てている壁の前に立ち、

「・・・ハッ!」

ドン!

思いっきり足の裏で蹴った。

その衝撃は壁の向こう側まで伝わり、

ガタガタガタン

「・・・イタ!」

何かが崩れ落ちる音に池袋の声らしきものが新橋の耳に届いた。

それを確認した新橋は、再び部屋の外に出てから池袋の部屋のドアをノックして

「おーい、起きたか?」

先ほどと変わらぬ呼びかけをしたところ

「お・・・おう、今開ける」

弱弱しい返事が返ってきた。

そしてドアが開いた先に新橋が見たのは、大きなタンコブを作った池袋の姿だった。

「お、オハヨー・・・」

まだ眠いのか、半分目を閉じた状態でいた。

「早くしろ、もう時間がないぞ」

そんな池袋にも新橋は容赦なかった。

「すぐ支度する」

そう言って池袋は部屋の奥へと戻った。

「少しジャマするぞ」

と、池袋の後を追うように新橋も続いた。

「何も出ないぞ」

「安心しろ、二度寝しないか監視するだけだ」

それを表すかのように新橋は入り口近くで腕を組んで池袋の動向を見ていた。

「少しは信用しろよ」

洗面所で洗った顔をタオルで服ながらそう抗議した。

「その信用を失わせたのはどこのどいつだ?」

そんな抗議も新橋は正論で突き返した。

「あー、休日ぐらいゆっくり休みてえよー」

長めの髪をブラシでとかしながら池袋は本音を漏らした。

ちなみに、池袋はこれを理由によくこのような要請を断っている。

「目白さんがお前のためを思って連れて行くことにしたんだ、少しは察せ」

「・・・ふぅん」

新橋のこの一言に、池袋は何やら反応した。

「な、なんだよ?」

「いや、やっぱりお前、目白さんには弱いんだなぁ、って」

率直な感想を新橋は言った。

「な!?何言ってんだ!?そんなんじゃねえって!」

明らかに動揺しながら新橋は反論した。

「まぁ、そりゃ否定したくなるだろうな、ライバルが多すぎるし」

「だから、違うって言ってるだろ!」

既にこの時点で、会話の主導権は池袋に移っていた。

目白は成績優秀、スポーツ万能、更に生徒会副会長に優しい性格で美人。

それらが評判で、学年一の女子生徒として名高い。

それ故に、アタックする男子が後を絶たないが、目白自身にその気はないようだ。

「まぁ、俺も目白さんに頼まれちゃ、断れないな」

「だろ?少しは分かるじゃないか・・・」

そこまで言って、新橋は気付いた。

ニンマリと笑みを浮かべながら見ている池袋の姿に。

「やっぱり、お前・・・」

「あぁ!とにかく、早く準備しろよな!俺も最後の準備してくるから!」

そう言い残して新橋は再び自分の部屋に戻って行った。

「・・・やっぱり、アイツからかうの面白いな」

そう言ってから少し考え、ふと近くにあった封筒を手に取った。

「そうなると、こいつは伝えるべきかしないべきか、だな・・・」

それを見ながら、ふと池袋は呟いた。



「目黒、行くわよ」

「ハイ!」

その頃の孤児院。

既に準備が終わった目黒と目白が出かける直前であった。

「おねえちゃんたち、でかけるの?」

孤児院で暮らす男の子の1人が歩み寄って聞いてきた。

「うん、夕方ぐらいには帰ってくるからね」

男の子の頭を撫でながら目白が言った。

「かえってきたら、あそんでくれる?」

「ええ、いいわよ」

そう答えながら目白はニッコリと微笑んだ。

「じゃあ目黒、行きましょ」

「ハイ!」

2人はそのまま孤児院を出発した。

第64話『朽ち果てし拠点』

「よし、全員揃っているな」

町外れにある廃工場。

その近くの空き地で照先生が出欠を確認した。

その場にいたのは池袋、新橋、目白、目黒、それに照先生に犬彦先生がいた。

「・・・今回は引率が2人もいるんですか?」

池袋が単刀直入に聞いた。

通常、引率は1人だけのことがほとんどである。

このような2人の場合はなくはないが、あまりないパターンではある。

「いや、本当は俺だけのつもりだったんだが、犬彦先生が・・・」

「あぁ、ちょっと気になることがあってな。無理行って来させてもらった」

変わらぬ表情を浮かべながらも、どこか心を許してしまいそうな声で犬彦先生は返答した。

「じゃあ、早速今回の任務の確認をするぞ」

そう言って、照先生は全員を廃工場の近くに誘導した。

「情報によると、あの廃工場に異星人が立てこもっているらしい。今回は、その調査を行う」

「俺が先導で内部に侵入するから、目白に池袋、それに新橋もそれに続いてくれ」

照先生の後に続く感じで犬彦先生もそう指示した。

「軍の方は今回どのような行動を?」

新橋が質問を口にした。

「あぁ、軍も裏口から侵入するそうだ。どうやら、それが本命の調査チームらしい」

照先生がそう返答した。

「あの・・・私は?」

目黒が恐る恐る聞いた。

「目黒は俺と一緒に廃工場に砲撃して陽動。そうすれば、調査に邪魔もそうは入らないだろう」

即座に照先生がそう返した。

この答えに、目黒も納得はしたようだ。

しかし、他の3人はどこか解せない表情を浮かべていた。

「・・・お、軍の人からメッセージが着たから、ちょっと待ってくれ」

そう言って照先生は少し真剣な表情をして『プライベートメッセージ機能』を使用しだした。

このような連絡があるため、照先生だけ既にログインを行っていた。

「じゃあ、俺達も今のうちにしておこう」

犬彦先生にそう勧められると、4人も反対することなくそれに従った。

「「「「EB、ログイン!!」」」」

認証リストに『EB-ID』を差し込んでログイン、全員の制服も戦闘服調に変化した。

「・・・軍の人から連絡があった。陽動を開始してくれ、だと。・・・じゃあ目黒、行くぞ」

「ハイ!」

そう言って、目黒と照先生がまず駆け出し、廃工場に着くや否や武器を具現化させた。

目黒は『ジャンクション』を、そして照先生も左右の腰に大きな砲を構えた。

それは、ブースター兼用可動式光線砲『アムフォルタス・プラズマ収束ビーム砲』。

「目黒、行くぞ!」

照先生の一言と同時に2人は引き金を引いた。

『ジャンクション』、そして『アムフォルタス・プラズマ収束ビーム砲』から放たれた光線は、目標物として格好の的である廃工場に直撃。

すると

ウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ

廃工場から、今は鳴るはずのないサイレンが鳴り響いた。

すると、異星人と思わしき影があちこちで確認された。

「よし、今だ!」

「あぁ、陽動頼んだぞ」

照先生と犬彦先生がそう声を掛け合うと、そのまま工場へと突っ込んでいった。

「よし、目黒、俺達は引き続き陽動だ。接近されたらまずいから、絶対に近づけるな!」

「ハイ!」

そう言って2人は再び引き金を引いた。



「・・・始まったな」

「あぁ。俺達、今回出番あるのか?」

「さぁな。ないのが一番望ましいんだが」

「・・・全てはアイツの判断次第、ってわけか」

「アイツだったら、多分遠慮なく頼んでくるだろうな」

「だな。とりあえず、準備だけはしておくか」

「あぁ、んじゃ・・・EB・・・」

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