無料オンラインゲーム『百花繚乱Endless Battle』。 そのノベライズとそれに関することを書いていきたいと思います。

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第54話『違法な力』

「よぉし、一抜け!」

「ちょっとー、英語上がりは無しでしょー!?」

部屋の傍らで、バスでやっていた大貧民と同じ要領でウ○が行われていた。

・・・あれも地味にローカルルールが存在したりするんだよなぁ。

見ていても、やはりそれで色々と揉めている風にも捉えられる。

俺は夏休み直前に神田さんから手渡された近距離戦の心得が書かれた本を読んでいた。

読めば読むほど、この奥の深さがよく分かる。

と、感心しているところに

ブゥゥゥゥゥゥン ブゥゥゥゥゥゥン

ケイタイが震えだした。

液晶を見ると、会長からのメールだった。

メールを開いてみると、

『昼間いた浜辺に来てくれ』

という短い一文だけ書かれていた。

そういえば、さっき来たメールには誰にも気付かれないように、って書いてあったな。

今部屋にいるのは俺を含めて田町さん、渋谷、五反田、それに品川さんだ。

目黒は今風呂に入っているようだ。

目黒・・・風呂・・・

いかん、イヤなことを思い出してしまった。

それはともかく、品川さんは読書、他の3人はウ○に熱中。

・・・出るなら今だな。

俺はそっと立ち上がり、部屋を出た。

一応服装は私服、前の一件もあるからリストと『EB-ID』は所持しておくことにした。

『EB-ID』を入れる場所は・・・胸ポケットが妥当か。

外に出てみると、既に陽は沈み、辺りは真っ暗だった。

時刻は夜9時、当たり前のことではある。

この宿から浜辺までは一直線、迷うことはない。

すると、遠くの方から

ドォン・・・

という音が僅かながら聞こえてきた。

そういえば、夜の部の内容は暴走族の鎮圧とか言っていたな。

どうやら、それが何事もなく行われているようだ。

と考えているうちに、浜辺に着いた。

周りを見渡して、会長の姿を探してみるが、見当たらない。

暗いというのもあるが、まさかここまでとは・・・。

「よく来たね」

突然後ろから声が聞こえてきた。

驚きながらも振り向くと、会長と代々木がいた。

「ど、どうも・・・で、一体どうしたんですか?」

挨拶すると同時に早速本題に入らせてもらった。

「・・・前に言われた聞きたいこと、この場で色々答えてあげようと思ってね」

いつもの微笑を浮かべながら、会長は答えた。

とにかく、あの時色々と疑問は残った。

この際だから・・・

「・・・じゃあ、色々聞かせてもらいます。まず、あの組織って、結局のところ何なんですか?」

俺が会長から聞いた話だと、『異星人に地球を襲い掛かるよう仕向けている組織』としか分からない。

でも、それ以外にも何かある、俺にはそう考えられた。

「基本的には前にも言ったとおり、地球に対して裏切り行為を行っている組織だ。だが、他にもう1つの顔がある」

「もう1つの顔?」

「・・・違法な『エンドレスバトラー』への実験だ」

「違法な?」

何をもって違法なことか、詳しくは分からないが良いことをしているとは思えない。

「上野君、君はたまに相手の動きをスローで捉えられたり、狙うべき場所が分かるときがあるらしいね」

「あ、はい・・・」

野球部との再戦、それに異星人の巨大ロボットとの戦いの時になったあの状態のことか。

「一部の『エンドレスバトラー』にだけ、そのような状態になることがあるらしい。これを一部では『覚醒』と呼んでいる」

「『覚醒』・・・ですか」

俺自信でもよく分からないあの状態。

急に言われても、正直何といっていいか分からない。

「その組織はな、その状態を人工的に作り出しているようだ」

「人工的に?」

「薬物投与や遺伝子操作は当たり前、直接的な肉体改造もしているらしい」

「!?」

とてつもない単語の連続に、戸惑いは隠せなかった。

違法以前に、人道的な問題だ。

「実は昔、これらのことを軍がやろうとしていたんだが、実行前に上層部にばれて、その関係者は全員追い出されたらしい」

「追い出された?」

軍でこれらのことをしようとしていたのもどうかと思うが、当たり前といえば当たり前だ。

「その時、既にこの実験計画の名前は付けられていたんだ」

「名前?」

「『エクステンデッド・プロジェクト』・・・通称『E計画』」
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第55話『見つめなおす自我』

「い・・・『E計画』?」

それって、確か前に羅印さんが言っていた・・・。

「あの組織は、その関係者を中心に結成。その実験材料として、異星人に襲撃を仕掛けさせている」

そんな事情があったなんて、初めて知った。

・・・となると、1つ疑問が浮かぶ。

「じゃあ・・・この前の新橋ていうのは・・・もう・・・」

「やっぱり、新橋さんが絡んでたんですね」

突然背後から声が聞こえてきた。

聞き覚えがはっきりとする女声。

それはもう、見る間でもなく分かった。

「目黒・・・どうして?」

格好を見ると、髪が若干濡れている。

どうやら、風呂上りだろう・・・。

・・・また妙なことを連想してしまう。

とにかく、ここは目黒の話に集中しよう。

「上野君がこんな時間に1人外へ出て行くのを見て不思議に思って、ついて来たの。そしたら、会長までいて・・・」

「・・・目黒君、率直に聞こう。どこまで知ってる?もしくは感づいてる?」

会長が質問を投げかけた。

「新橋さんが絡んでるって気付き始めたのは例のサッカー部の事件です」

「・・・・・」

目黒の言葉に、代々木が少し反応した。

代々木も関っている事件だ、無理もない。

「あれだけ力を求め続けていた人だから、きっと強化関係の何かに関っている、そう思ったんです」

目黒の話を聞いて、前々から疑問に思っていたことがもう一つ浮かんだ。

「目黒、前から思ったんだけど、その強化っていうのは・・・?」

「それが、違法な『エンドレスバトラー』への実験の1つだ」

目黒ではなく、会長が代わりに答えてきた。

「え?」

「ログイン用のプログラムに手を加えることで、一時的に当人の能力以上の力を発揮出来るようになる、そういう代物だ」

「・・・それ以外に何かあるんですね?」

そうじゃなきゃ、違法に指定する理由がない。

むしろ、一時的とはいえ能力を強化出来るのだから、利用するべきだろう。

「あぁ、その通りだ。これを行うとその当人は効果が続く限り理性を失い、本能のまま行動する」

「・・・え?」

とても予想できなかった言葉が飛んできた。

だけど、その状態で野球部は俺に復讐を、サッカー部は女子に手を上げようとした。

それを考えると、納得できる。

「・・・会長、なんで新橋さんの今を知っているんですか?」

目黒が真剣な顔で会長に聞いた。

目黒と新橋・・・何かあったんだろう。

「・・・今度ゆっくり話すさ」

いつもの軽さで会長が答えた。

その時だった。

「その必要はねえよ」

突然頭上の方から声が聞こえてきた。

上を見ると、そこには新橋がいた。

よく見ると、昼間田町さんが使っていた『Gアーマー』のような飛行物体の上に立っていた。

「・・・新橋さん」

目黒が複雑そうな表情を見せた。

「久しぶりだな、目黒」

そんな目黒に不適な笑顔を浮かべながら新橋は答えた。

「どうして・・・どうして急にいなくなったんですか!?」

らしくない、荒げた声を目黒は出した。

「・・・もうあんなことを二度と起こさないよう、力を求めている。ただそれだけさ」

「そんな・・・だからって、そんなことしても目白さんは戻ってこないんですよ!」

目白?一体誰だ?

「・・・だったら目黒、お前も来いよ」

「え?」

急な新橋のスカウトに、俺を含めた全員が驚きを隠せなかった。

「俺のところに来れば、もうあんな犠牲者は出ないんだぞ?お前が『エンドレスバトラー』になるのは、そういう理由なんだろ?」

「それは・・・」

確かに、前に目黒は言っていた。

これ以上自分のような孤児を作りたくないから戦う、って。

「さぁ、目黒、どうするんだ?」

「わ、私は・・・」

すると、目黒の足が自然と新橋の方へと動き出した。

第56話『砂浜の約束』

ザッ

気がついたら、目黒の前に出てその歩みを止めている俺がいた。

「・・・上野君?」

そんな俺を見て目黒は素直に立ち止まった。

「・・・新橋、目黒を惑わすのはやめろ」

こいつが元先輩だっただろうが関係ない。

その考えを表すように、俺は口調を荒げ、呼び捨てた。

「惑わす?今目黒は自分の意思で動いた、違うか?」

相変わらずの癪に障る言い方をする新橋。

流石にもう、我慢の限界だった。

「目黒はそんな弱いやつじゃない!少なくとも、目の前から逃げ出さないだけお前より強いはずだ!!」

「・・・・・」

俺の言葉に対して、新橋は何も言い返してこない。

「う・・・上野君・・・」

そして目黒は不思議そうに俺を見る。

「目黒・・・お前達に何があったか知らない、だけど・・・」

ここまで言ったところで一息つき、そのまま続けた。

「お前を苦しめたり、悲しませたりするなんてことは絶対にさせない、絶対にな・・・!」

「・・・うん!」

いつもの、目黒らしい強い返事が返ってきた。

「言ってくれるじゃねえか・・・だが、死んじまえば意味ねえよな?」

突然新橋が巨大な銃を具現化させた。

そして銃口付近に光の玉状のものが発生し、次第に大きくなっていった。

あの銃は・・・アレ?

いつものように武器の名前が分からない。

(・・・し、しまった!)

ここで重大なことに気付いた。

俺も、目黒も、会長も代々木も・・・ログインできていない。

今の俺達は、ただのどこにでもいる学生と何ら変わらない。

このままだと、成すすべなくやられるだけだ。

急いで俺が胸ポケットから『EB-ID』を取り出し、認証リストに入れようとしたが

(間に合わない・・・!)

リストに『EB-ID』を入れたところで、ログインが完了するまでにタイムラグがある。

引き金にかける新橋の指には、既に力がこめられつつあった。

それでも『EB-ID』をリストに入れようとした、そのとき

「EB、ログイン!」

後ろにいた会長が駆け俺を抜き去っていった。

その右手には・・・スライド式の携帯電話?

会長がそれを閉じた瞬間、会長のログインが完了した。

その時間、通常のログインの半分もかかっていない。

そして会長はそのまま跳躍し、宙に浮かぶ新橋に蹴りを放った。

「な!?」

新橋も会長の異常な速さのログインに驚きを隠せなかったのだろう。

その会長の蹴りを後ろに仰け反りながら避けたが・・・

バァァァン!

力をこめていた指にストップがかからなかったんだろう、そのまま銃口から光線が放たれた。

そして、無理な姿勢で発砲してしまったため、反動を制御できずにそのまま勢いよく海へと突っ込んでいった。

「・・・え?」

あまりにも一瞬に色々なことが起き過ぎて、一瞬呆然としてしまった。

その間に、俺のログインはいつの間にか完了していた。

「か、会長・・・今のは?」

俺と同じくログインが完了した目黒が聞いた。

「ん?ああ、こいつのことかな?」

すると会長は俺達の方を振り向きながら右手に武器を出す要領であの携帯電話を発生させた。

俺のクラスでも持っているヤツの方が少数派な、スライド式の携帯電話。

「こいつは、新型の認証ツールだ。ログイン検知機能と大幅なログイン時間短縮が可能になっている」

・・・聞くだけで大層なものだって判断できる。

でも、ふと疑問が浮かび上がった。

「でも、そんなものどこで手に入れたんですか?」

大方の予想だと、前に会った悠矢さんと雷電さんかと思った。

「ああ、牙津さんから貰った」

「牙津さん・・・ですか」

意外な名前が出てきたからちょっと驚いたが、よく考えてみたらもっともなことに気付いた。

会長に後を継がせているし、そもそも牙津さん自体そういった企業に勤めているわけだし。

と、話しているうちに

ザバァン!

新橋が海中から再び姿を現した。

「チッ、油断したぜ、だが・・・」

新橋のこの言葉と同時にすぐ近くの砂浜からロボットが何体も姿を出した。

その大きさ・・・大体5メートルぐらいか。

四足歩行の妙な形のロボット達。

前に戦ったあの巨大ロボットよりも楽そうだが、数が数だけに苦戦しそうだ・・・。

「・・・3人とも」

会長が俺達に声を掛けてきた。

「はい?」

「新橋は俺がどうにかするから、あのロボットたちをどうにかしてくれ」

確かにそれが妥当なところだろう。

俺達じゃ、まともに新橋と相手しても会長の足を引っ張るだけだ。

「分かりました!」

俺は『遠雷』を、目黒は『ジャンクション』を、代々木は『自由の代償』を具現化させ、一斉に駆け出した。
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